AIが決めた恋
封筒の中には、課題プリントの他に、研究棟141号室の鍵が入っていた。
何だかとても本格的だ。それなのに、作品が完成しなかった時の罰則が反省文だとは…。一体どのような意図があって、反省文などという罰則が与えられているのだろう。
このようなイベントがある度に、僕は、一体この研究所が僕達を使ってどのように研究をしているのかとても気になる。きっと、どのイベントも、卒業時のパートナーと契約を破棄するか、そのまま婚約するかの選択に繋がっているのだろう。
やはり相性が上位のペアと下位のペアでは、研究結果が若干異なるのだろうか。分からないが、一つだけ分かっていることがある。
それは、全てのペアが卒業と同時に婚約をするわけではないということだ。実際に裕さんは、パートナーと良い関係性を築いていたのに、契約を破棄することになった。
そもそも、人間を研究するなんてことができるのだろうか。
この学校で日常を送っているだけなら、他の学校とあまり変わりはない。しかし、この学校は謎が多い。研究はトップシークレットで、生徒もその情報を握ることができないシステムになっている。
そんなことを長々と考えているうちに、僕は、研究棟の141号室に到着した。電気がついているから、きっともう桃野さんが先に来ているのだろう。
封筒から鍵を取り出し、個室の中へ入った。

「遅くなってごめ──」

そこまで言いかけて、僕は言葉を失った。
そこにいたのは、桃野さんではなかった。

「え…、どうして佐倉くんがここにいるのですか…？」
「えっと…。」

研究棟141号室。そこにいたのは、湖川さんだった。
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