AIが決めた恋
「何の本を読んでいるのか知ってる?」

ずっと気になっていて、本人には聞けなかった質問を、思わずしてしまった。

「うーん、詳しくは分からないけれど、どのジャンルも満遍なく読んでいるみたい。きっと、純粋に物語が好きなんだと思う。」

満遍なく読んでいるのか。それにしても、読んでいるのが『小説』だというのがとても良い。僕と小説にはちょっとした繋がりがある…と自分で勝手に思いたいだけかもしれないが、少なくとも、他の一般の人にとってのそれよりも深い意味を持つだろう。

「確か、藍ちゃんが最近読んでいた本の題名は、えーっと、確か…」
「最近読んだ本の題名を知っているの?」
「うん。この前、勧めてもらったんだ。」

それはとても興味深い。

「えーっと、『か』がついたような。か、か、か、かげき…!」
「えっ…!?」
「『かげき』みたいなのを読んでいるらしいよ。」
「か、過激…!?」

僕は混乱した頭を整理する。
湖川さんが、過激な小説を読んでいるのか…?そもそも“過激”とは、どんな意味の“過激”なんだ…?ま、まさか…、あの純粋そうな湖川さんが??意外とそういうのが趣味だったのか!?いや、それならそれで僕は…良いと思う…って!何を考えているんだ!これこそ変態みたいではないか!!

「…佐倉くん?」

落ち着け。桃野さんが言うには、湖川さんは様々なジャンルを読むそうだ。それなら、別に過激な小説が趣味じゃなくても、そういうものも読むというだけの話かもしれない。うん。そうだ。絶対にそうだ。でも、どちらにしても結局、湖川さんは過激な小説を読んでいるということに…って!本当にどうして僕は変な想像を…!
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