AIが決めた恋

新しい世界

文化祭が完全に終了し、僕は、桃野さん、真島くん、湖川さん、陽芽さん、本田くん、水原くんと一緒に校舎を出た。

「楽しかった〜〜〜!!」

本田くんが叫ぶ。

「お陽芽はミスコンで優勝できたし!カフェにも客が沢山来たし!湖川とも…仲直りでしたし。」

最後の言葉だけ、本田くんはボソボソと呟くように言った。彼なりの照れ隠しなのだろう。
まあ、何はともあれ、本田くんと湖川さんの仲が悪くならなくて良かった。

「水原くんと一緒に帰れるなんて嬉しいなぁ。」

そういえば桃野さんは、先程から、水原くんにべったりだ。
湖川に対してもそうだが、彼女は好意を抱いている人に、その好意を分かり易く伝えてしまえるみたいだ。

「僕も新しい友達と一緒に帰ることができて、嬉しいよ。」

水原くんの甘い言葉に、ゾクッとした。
ミスターコンテストで優勝するくらいだから、甘い言葉をサラッと口にしてしまう姿は、とても似合っている。しかし、初対面の女の子に対して、気軽にそのような態度が取れる人は、初めて見た為、僕には免疫が無い。

「本当!?」
「うん。最近はずっと1人だったからね。」
「1人??」
「うん。実は俺、パートナーがいないんだ。」
「「「「「え!?」」」」」

桃野さんと水原くん以外の全員の声がハモった。
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