AIが決めた恋

買い物係は誰だ!?

午前10時になると、ももちゃんと佐倉くん、陽芽と本田くんもやってきた。
静かなうちは自分の勉強をしようということで、お互いに無言で英語以外の勉強を進め、皆がやって来てから、英語の特訓が始まった。

「君、どこまでは分かっているんだ?」
「えーっと…。」

正直に言うと、英語に関しては本当に何も分からず、何処まで分かっているのかさえ、よく分からない。

「be動詞くらいなら分かると思います。」
「それは中学1年の1番最初の範囲だから当たり前だろ。過去形は分かるか?」
「一般動詞の後ろに“ed”をつけたり、be動詞がwasになったりwereになったりするやつのことですか…?」
「そうだ。」

ひとまずほっとする。英語が壊滅的に苦手な私でも、どうやら中1レベルの範囲まではなんとか理解できているようだ。

「高校の範囲はどこまで分かってるんだ? 」

高校の範囲…。中学の範囲はなんとかなったとして、高校の範囲は全く分からない。授業中も、先生が終始何を言っているのか分からず、上の空だった。

「入学して間もない頃に習った、文法の、S, V, O, Cなどは分かっているか?」
「え、えす、ぶい、おー、し…?」
「Sは?」
「硫黄?」
「Vは?」
「バナジウム?」
「Oは?」
「酸素?」
「Cは?」
「炭素?」
「それは全部化学だろ!今やっているのは英語だ。」
「で、ですよね…。」
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