手紙。 〜拝啓、先生あの日の約束は有効ですか?〜
「教え子に、そんなふうに言われたのは初めてで、嬉しいよ。ありがとう」
「い、いえ……本当のことです。それに香川先生がいてくれたからここにいるんですよ」
先生になった理由に、片瀬先生のことも大きいけどなんの科目の先生になろうか迷っていたときに香川先生に『国語科の先生もいいと思うけどな〜』って言われたから。
「さて、藤田先生」
「はい?」
「飲みに行かない?」
え……っ? 香川先生と、一緒に? ご飯?
「ダメか? 予定ある?」
「いや大丈夫です、けど……」
「じゃあ決まり、もう帰れるだろ。行こう。沢山褒められたから俺の奢り」
ええ……そんなつもりで言ったんじゃないのに。だけど、強引な香川先生に押されてしまった私は香川先生と居酒屋へ向かった。
……というか、連れて行かれた。