御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
ちょっと歩くだけだがせっかく外出するのだし、とはりきってお洋服を選んだ。
暖かくなってきたから今回は五分袖の白のカットソーに、ハイウエストでギンガムチェックのAラインスカート。歩きやすいショートブーツを履いて、少し遠くまで行ってみようかな。

透さんのウェブ会議が始まる午前九時ちょっと前、私は見送ってくれる彼に「いってきます」と元気に挨拶をする。

「ああ……本当に、俺も一緒に行きたかった。知らない人についていっちゃダメだよ。知ってる人でも男には注意して」

「はいはい。大丈夫ですから」

不安そうな彼を心配させまいとにこやかに手を振り、玄関を出た。

外はとてもよく晴れていて、朝だというのに街の人通りも多い。
しばらく歩くと交番のマークと駅までの看板をさっそく見つけ、「うん、おっけー」と独り言をつぶやいた。

さて、次はどこへ行こう。とはいっても、この時間ではスーパーしか開いていない。行きながら、どんなお店があるか見てみよう。

軽い足どりでスーパーへの道を歩き出した。
いくつか気になるカフェを発見。スマホでこっそり外観を写真に収めた。
到着したスーパーではさまざまな食材や調味料が売られており、次回マイバックを持ってきた日に買おうといくつか目星をつけた。

スーパーの散策を終え、通りをぐるりと戻ってマンションの裏手に回ると、一際目につくお店があった。

「わー素敵」

『レストラン アリア』
正面はガラス張り、ほかは真っ白な建物で、パーティーができそうな高級な雰囲気のレストラン。ランチタイムは十一時からだから、まだやっていないようだけど、今度透さんと一緒に食べにきたいな。

……て、なに自然に透さんとデートの計画立てちゃってるの!
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