懐妊一夜~赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません~
「結斗さんはなにも悪くありません。だから頭を上げてください。それにもう結斗さんとお話することはありません。結斗さんと別れると最終的に決めたのは私です。だからーー」

込み上げてくる様々な想いに視界が揺らぎ、言葉に詰まる。それでも、結斗さんの将来を潰すことはできない、その思いで必死に言葉を吐き出そうとしたそのとき。

「俺には蜜葉が必要なんだ」

「……っ」

思いもしない結斗さんの行動に胸がトクンッと跳ね上がる。身体に感じる懐かしい結斗さんの温もりにますます視界が揺らいでいく。

「離してください……」

「もう二度と離すつもりはない」

腕のなかの温もりから逃れようと必死に抵抗するが、結斗さんは逃してはくれない。

「私といたら、結斗さんは幸せになれないじゃないですか! だから一緒にはいられ……」

私の言葉を遮るように、スッと頰に伸びた結斗さんの指先。そして、私の前に影が落ちた。
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