懐妊一夜~赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません~
「相手は誰なの? 私の知ってる人? 最近っていつからよ?」

それでも、茜が話し出すのを待っていられなくて、矢継ぎ早にそんな質問をしてしまった。

「うん、蜜葉も知ってる人」

「え? 誰?」

「それは……」

頰をピンク色に染めながら茜が口を開こうとしたそのときだった。

「なんか盛り上がってるじゃん」

後方から飛んだその声に、反射的に振り向いた。

「え?」

そこにいたのはまさかの人物で、目を大きく見開いた。

「さ、笹原なんでここにいるの?」

それは同期の笹原だった。

「ん? 茜ちゃんに呼ばれたから」

茜に呼ばれた?

「笹原くん、お疲れさま。来てくれてありがとう」

嬉しそうな表情を浮かべながら、笹原を見つめる茜を見てすべてを悟った。

「もしかして茜の相手って……」

「うん。笹原くんなの」

本日二度目の茜からのカミングアウト。まさかまさかの出来事に高速な瞬きを繰り返しながら、茜と笹原を交互に見つめる。
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