ハーフな俺。前編(完結)
俺らに気づいたリサは右手を軽くふった。
「ついに行くんだよねぇ。」
マリアが不安と期待の混じった声で誰に言うでも無くつぶやいた。
「おぅ!」
それに答える陸。
俺はチラっとリサに目をやる。
あいつもこっちを見ていて、ふと目が合った。
あいつの目はさっきまで泣いていたであろうに
赤く、少し腫れていた。
だからかは分からないけど、俺は自然とリサに
「俺らだし、ぜってぇ大丈夫だって。そんな心配すんなよ!」
そう言いあいつの頭をポンポンと優しくたたいていた。