夜空に見るは灰色の瞳
「遠慮しないでください!とは言っても、既にお話してある通り、魔法使いとは言え現代社会では制約に縛られた窮屈な生活を強いられていますから、出来ないことも多いですが。まあ試しに、何でも言ってみてください!」

「……いや、あの…………」


試したくないというか、丁重にお断りしたい。


「そんなこと言わないでください。昨夜の出会いも、きっと何かのご縁だと思います。事実僕は、あの時叶井さんと目が合った瞬間から、叶井さんのことが頭から離れませんでした。これを、ご縁と言わずして何と言うのですか?」

「……いやでも――」

「とにかく!叶井さんは僕に何かして欲しいことはありませんか?」


灰色の瞳をキラキラさせて、前のめり気味に男が言う。

それに私は若干身を引きながら、なぜこんなことになってしまったのかと、これは一体どういうことなのかと考えていた。

そして考えれば考えるほど、これは今朝から続いている不運の続きなのではと思えてきて、とりあえず頭を抱えてうずくまりたくなった。
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