酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった！？〜

収録の間に廊下で。

「佐伯さん！」

「ん、どうしたの？」

「この前収録のアニメ、昨日放送して人気急上昇みたいです！
ネット記事がこんなに！」

「ほんと？
うれしいね。」

「佐伯さんのことも色々...。」

「なんかまた不穏な噂立てられてるね...。
俺ちゃんと人間なんだけどなw」

苦笑してる...。

そうだよね。

私も、会う前まで人間じゃなかったらどうしようって本気で思ってたもん...。

今じゃ、姿が見えないとなんでも疑われる時代になっちゃったからな...。

「でも、よかった。
いろんな意味でもみんな注目してみてくれてるようで。」

「はい！」

と、話していると...。

「そこの2人、なにはしゃいでるわけ？」

また、こいつ...。

「へー。たかが声当てたアニメが見られたぐらいで大袈裟に喜んで。
さぞすみっこで暗い生活してたんだな。」

こういうのって、相手する方が負けた気がするけど...。

「言い返せもしないだろ。
さっさと事務所出ていったほうがいいんじゃね？」

「あの、お話し頂けるのは光栄ですけど、今仕事ないんですか？」

「あるに決まってるだろ。
お前らがうるさくて
仕事のモチベが上がらねえんだよ。」

「そうですか。
じゃ、迷惑かけないように静かにします。」

「ちっ。」

舌打ちしたいのこっちなんだけど。

なんだか面倒な人が来ちゃった感じだな...。