年下皇帝の甘い誘惑
第13話 毎日花を
隣の町に連れて行かれた私は、カイの叔父さんの別荘で、暮らす事になった。

仕事はその別荘で働く人達の、食事作り。


「とは言ってもね、肝心の伯爵が来ないんじゃあ、仕事をする張り合いもないよ。」

使用人のマーサさんが、ため息をつく。

「例えば、夏だけとか、冬だけとか、季節限定で来たりしないんですか?」

「いいや。そういう目的で、建てた訳じゃないからね。」

「えっ?」

私はスープを作りながら、マーサさんの話を聞いていた。

「愛人だよ。愛人を囲う為に、建てたんだよ。」

愛人と言う言葉に、ズキッとくる。


もし私がカイと別れられなかったら、愛人になるしかないのかな。

そうしたら、同じように別荘で過ごすの?


「それがアイニ―様のお母様に見つかって、別荘を追い出されたんだよ。可哀相に。」

奥さんに見つかってね。

私はもう、アイニーさんに知られているから、何ともないけど。
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