ロミオとジュリエットは犬猿の仲
『真樹先輩と話がしたいんですけど、
すこし変わってくれませんか?』


俺は仕方なしにスマホから耳を離した。


「・・・梨恵、ちょっといいか?」


「な、なに・・・?」


「今、城坂さんと話してるんだけど・・・
お前と話したいって・・・」


「え・・・?なんで私と?」


「知らねーよ、いいから変わってやれ」


梨恵は少し不満ありげな様子で
俺のスマホを受け取ると、
恐る恐る耳にスマホを近づけていった。


「も、もしもし・・・?
真樹ですが・・・?」


『―――・・・――ー・・・』


城坂さんは何かを言っているのだろうが聞き取れない。


「え・・・ちょっと・・・!?」


< 88 / 159 >

この作品をシェア

pagetop