ロミオとジュリエットは犬猿の仲
「ご、ごめんなさい!大丈夫ですか!?」


「は、はい・・・」


ぶつかってきたのは帽子を目深に被った男性で、
私に手を差し出してくれた。


私がその手を取ると彼は私を引き上げてくれた。


「本当にごめん、急いでて・・・」



「いえ、大丈夫です!
こっちこそボーっとしてて・・・」



「いや・・・」


彼は私の顔を見ると、
急に無言になってしまった。


「あの?どうかました?」


「あ!・・・その!」


「・・・いたー!あそこ!」


「あ!ごめん、それじゃあ!」


急に女の子の声がすると
彼は慌てて走り去っていった。


そのあとを女の子達が追いかけていく様子を
唖然として私は見ていた。


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