キミと、光の彼方へ。
彼女は見ていた。

彼の背中をただずっと見ていた。

祈るような眼差しでずっとずっと見守っていた。

その姿を見て胸が苦しいのは、きっと隣で濃い影を落とす海里が嫌でも視界に入ってくるからだ。

私は確信した。

自分が置かれている状況は、稀に見る大しけの海の中だった。

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