キミと、光の彼方へ。
だけど、その船は今、キミを見失った。

私は海の中で迷子になった。

どこに行けばいい?

何をすればいい?

何を目指して漕げばいい?

分からない。

分からない。

分からない。

分からないんだ......。


長くて怖い夢を見ていた。

私は障子の隙間から漏れる光を見つめた。

その光はキミのようで、

私はキミを求めてしまう。

早くあの場所に行きたい。

そうすれば、救われる......。

そう思い込み、信じて疑わなかった。

そんな私の耳には、ザブーンザザーザブーンという波が竜のように激しく荒れる音が聞こえていた。

その波に飲まれないよう、

溺れないよう、

私は光を求めて、今日も行く。

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