キミと、光の彼方へ。
「今日さ、碧海に聞かれたんだ」


海里が前を向いたまま、唐突に話し出した。


「珠汐奈のこと、好きかって」


あぁ、自分のカノジョ取られないように、別の人を好きになってもらおうとか、そういう考えかな。

うん、たぶん、そう。

そうだよ。


「オレははっきり言った。珠汐奈とは友達で、それ以上にも以下にもならないって。それに......まだ会沢さんへの気持ち、忘れられてないって、それも伝えた」

「そっか...」


そんな簡単に忘れられない。

しかも、海里にとっての初恋で、あんな良い子なら尚更だ。


「そしたら、言われたんだ。珠汐奈が頼れるのは、俺だけだって。だから、ちゃんと側にいて話を聞いてやってほしいって」


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