キミと、光の彼方へ。
ちらりと視線を流すと、碧海くんはスヤスヤと気持ち良さそうに、規則正しい寝息を立てている。

部活で疲れているのかもしれないけれど、授業の半分以上を寝て過ごすのは先生に対して失礼だと思う。

確かに、倫理の林先生の話し方はのんびりで穏やかだから眠気に誘われてしまうのも無理はないと思うけど、それにしても、だ。

結局彼は熟睡したまま授業を終えて部活に行った。

私はというと、今日はバイトがないからちょっと寄り道でもしてから帰ろうかなぁと思いながら、昇降口へ亀のようにのろのろと歩いていった。


「まだ雨止まないんだ...」


廊下から窓の外を見ると雨が激しく降っていた。

止むどころか、授業中よりますます強くなっている。

この様子だと寄り道などしている場合では無さそうだ。

おとなしく家に帰って夕飯の支度をするか...。

下駄箱からローファーを取り出そうと、手をかけた......

その時だった。


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