二人の距離~やさしい愛にふれて~
優しい笑顔で見下ろされ理花は胸にムズムズする何かが込み上げてきて、また、涙が流れ出る。
止まらない涙に恭吾は戸惑い、涙を拭いながらキスをする。
理花はドキドキと早く打つ胸が苦しくて呼吸が早くなった。
深く舌を絡ませると小さく声が漏れ出る。その声に興奮した恭吾はゆっくりと理花の背中を撫でた。

重なっていた唇が離れていくと、名残惜しそうに唇を見つめる理花を見て恭吾は小さく吹き出した。

「フッ、理花の顔、今やらしくなってる。」

そう言いながら、唇の端から流れ出た唾液を親指で拭った。
理花は恥ずかしくて顔を赤らめながら恭吾を見つめた。

「どうせ何も食ってねぇだろうと思って、俺も何も食ってねぇんだ。腹減った。」

「へへっ、ちゃんとお水は飲んだよ。」

「あぁ、偉いな。酒も飲まなかったんだろ?」

恭吾は頭を撫でながら誉めると、理花は嬉しそうに笑った。その顔が堪らなく可愛くて撫でる手に力がこもる。

「本当はね、お酒飲まないと怖いの。もう来ないと思った…もう会えないと思ったの…だって私………」

最後は聞き取れないほど声が小さくなり恭吾の耳には届かなかった。

「約束したからな、俺は来るよ。あっ、スマホ持ってるよな?連絡出来るように交換しよ。」

「スマホ…どこに置いたかな?」

理花は部屋を見回した。
最後に使った記憶を手繰り寄せる。そもそも理花のスマホにはたまに体調を気遣う母親からしか連絡がこないのだ…
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