続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~

「奈津美が一番被害受けてるんじゃない。ムカつかないの?」


「もう慣れたわよ。ていうか、いちいち真に受けるから課長は調子乗るのよ」

 カオルと会話をしながら奈津美はファスナーと格闘する。

 と、やっと何か引っかかっていたものが取れて上がった。


「あんなの、適当に受け流しとけば別に気にならない……」

 奈津美の動きが途中で止まった。手がファスナーにかかっている、その姿で……


「奈津美? 何、どうしたの?」

 カオルが不思議そうな顔をして奈津美を見る。


 奈津美は、急激に冷や汗をかくのを感じた。


「ヤバい……ファスナー上がんない」

 深刻な表情で奈津美は言った。


 スカートのファスナーがなかなか上がらないのは、久しぶりに履くから糸か何かが絡んでしまったからだろうと思ったら、それだけでもなかったようだった。


 上がったと思ったファスナーは、半分ぐらいまでで止まって、上がらない。上げようとしたら、ウエストがきつく締め付けられてしまう。


「は?」

 カオルはポカンと口を開けている。


「……太ったの?」


「え……でも、去年はちゃんと履けたし……」


「だから、去年と比べて太ったんじゃないの?」


 あまりのショックに無意味なこと言い返す奈津美に、カオルは冷静に諭すように言う。


「ふ……太ったかな?」

 奈津美は確認するようにカオルに聞いた。


「どうだろ……毎日顔合わせてるからあんまり分かんないけど……」

 カオルは奈津美のことを上から下まで見る。


「あー、でも、去年とかに比べたら太ったかもねぇ。顔とか、丸くなった感じ」


「え!?」

 カオルに言われ、奈津美は両手で頬を挟んだ。


 嘘……ホントに太った!?

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