続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~

デートの理由


「おぉー! すっげー! でっけー! 色々あるー!」

 旬が中に入るなり興奮した様子で周りを見回し、目を輝かせている。


「ホントー! テレビとか雑誌より迫力あるー!」

 加奈も旬と同じ様子で浮き足だった様子だ。


「なあ、どれから行く? ナツ、どれから乗りたい?」

 旬は加奈と涼介に対して聞いたあと、改めて奈津美に聞く。


「えーっと……何でもいいよ。皆に任せるから……」

 奈津美はついていけずにそう言った。


「ねえ。涼介は? 涼介は何乗りたい?」

 加奈は涼介の方に意見を聞く。


「何に乗りたいって、どうせ順番とかもちゃんと決めてきてんだろ?」

 涼介は笑みを浮かべながらそう答える。


 どうやら涼介は、旬とは違って落ち着いた性格らしい。


「うん! まあね!」

 加奈は大きく頷いた。


 そして加奈は、旬に性格が似てるようだ。ノリが似ているというか、加奈のふとした言動は、旬を思わせるところがある。


 やっぱり旬ってどちらかというと女の子に近いのかな……

 いや、そうでもないか。『おっぱい星人』だし。


 奈津美はぼんやりとそんなことを考えていた。


「待ち時間とかあるからねー、ネットとかで調べて色々考えてきたんだ」

 パンフレットを見ながら加奈が言う。


「すっげーな、加奈。下調べまでしてきたのか」

 旬も感心した様子でそれを見ている。


「で、どれからがいいんだ?」

 涼介が加奈に尋ねる。


「んーとねー。あ、これ! 『コメット・トラックス』……ここからだとー……こっちだ!」

 加奈が周りを見回して、率先して歩き出した。


 それの半歩ほど後を涼介がついていき、旬と奈津美がそのあとについていった。


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