返シテクダサイ《都市伝説》
『うわ、気味悪いな』
【そうですか…?】
『廃墟が清潔感保たれてたら廃墟じゃねぇだろ』
『お邪魔しまーす』
【どうぞ、入院の方ですか?】
『散らかってんなぁ』
【申し訳御座いません】
『まぁ、廃墟になって数十年だしね』
【いいえ、まだ続いておりますよ】
『これからどうするんだ?一階から見て回るか?』
『そうだな…でも一階って受付とか調理室しかないだろ?やっぱここは病室とか見るべきじゃね?』
【病室は只今満室で…】
『じゃあ二階かな?羽山リーダーお願いします』
裏口を通り、階段を進んでいくまでに女の声は所々に小さく、それでもはっきりと記録されていた。
勿論、その場に居た誰もその声に反応などはしていない。
女の姿も、カメラには収められては居ない。
映像の中の俺たちは、階段を進んでいった。