檀家地獄
大山は、先祖代々住職(じゅうしょく)をやっている寺の住職である。

田舎ということもあり、大山が子供の頃、村の皆は大山の寺の檀家(だんか)であった。

しかし、少子化の波が訪れ、檀家が大幅に減った。

大山の代になると、坊主丸儲けの時代は終わり、毎月檀家で経をあげる月参りの値段も上げなければいけないぐらいだった。

でも、生活は楽になるどころか、寺を直す金も無く、老化した寺の穴も(ふさ)げないほどであった。

寺の一番大きな収入は、葬儀であった。

しかし、人が居なければ、亡くなる人もいない。

大山は困って毎日試案していた。

ある日、大山の檀家の山田さんの小学生の息子が川に流されて亡くなった。

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