僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目
 
 春輝くんにサヨナラしなきゃ。
 でも、離れたくない。



 相反した思いが
 ごちゃまぜになり
 私が固まっていると

 細々とした春輝くんの声が
 空気を揺らした。




「僕と二人だけじゃなければ
 いい?」


「え?」


「マー君と3人なら……
 僕に会ってくれる?」


「それは……」


「男の子だけじゃダメだよね?
 明梨んは? 
 明梨んが一緒ならいい?」




 ここでも明梨ん登場かぁ。
 



 春輝くんの頭の中

 どれだけ『明梨ん』に
 支配されてるの?




 天然で悪気が全くないところが
 余計に残酷なんだよ。




 今ので
 心のモヤモヤが吹っ切れたよ。




「春輝くん、バイバイ」




 今自分にできる
 とびきり笑顔を残し。



 私は春輝くんの前から。
 言霊神社から。

 思いっきり走って逃げた。


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