僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 10分以上も手を合わせ続け
 私は拝殿に背を向けた。



 もう、何も考えられなくて。
 とりあえず
 家に向けて足だけを動かす。



 手すりに寄りかかるように
 石段を下りていた時

 心配の塊のような声が
 私の耳に届いた。



「みゅうみゅう?」



 え……?



 石段を勢いよく駆け上がる音が
 近づいてくる。



 お願いだから。

 私のことは無視して
 通り過ぎてください。


 こんな情けない私
 さらけ出したくないから。




 大好きな声を無視するように
 石段を下り続けていると、
 突然、両肩を掴まれた。
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