僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 明梨んの話をしているからかな?

 春輝くん
 心の底から楽しそう。



 今、春輝くんの心の中に
 私は1ミリもいない。

 大好きな明梨んで
 心の中が満たされていて、
 すっごく幸せそう。



 笑顔の春輝くんを見るのは
 大好きだけれど……

 明梨んを思って浮かべた笑顔は
 心をギューって握りつぶされたように
 私を苦しくさせる。



「春輝、
 これからも明梨のこと頼むな」



 柔らかい総長の声に、
 春輝くんの弾んだ声が続く。



「明梨んのことを頼む相手は
 僕じゃないでしょ?」



「雅はヘタレすぎて
 頼りなさ過ぎだから」



 アハハと笑いあっている二人。

 大好きな人を想っているのがわかる
 宝石のようなキラキラ笑顔。



 春輝くんの想い人が
 100%明梨んという現実を
 突きつけられて、

 私は、
 作り笑顔を顔中に貼り付けることで
 いっぱいいっぱいになっていた。
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