僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目
「僕のこと、知ってる?」
「え……と……」
「なんでもないよ。
僕は春輝(はるき)。高3」
「私も……高3」
「え?
みゅうみゅうの高校って、どこ?」
「常盤高校」
「そっか。やっぱり違うんだね。
僕は桜木高だから」
違ってよかったぁ。
もし同じ高校だったら、バレちゃうもん。
クラスでの私は
ボッチで、陰キャラだって。
友達なんて
隣のクラスに1人だけしかいないって。
安堵のため息と
現実の自分にがっかりのため息が混ざって
私の口から漏れる。
そんな曖昧なため息を浄化するように
春輝くんの優しい声が耳に届いた。
「みゅうみゅうは
何をお願いしに来たの?」
「ん?」
「こんな朝早くに、言霊神社に来るなんて。
よっぽどの事を
お願いしに来たんじゃないの?」
ひょえぇぇぇ。
私のお願い事を知りたいってこと?
どうしよう。
恥ずかしすぎて言えないよ。
言ったら、ドン引き確実だし。
頭大丈夫?って
精神科の病院を紹介されちゃいそうだよ。