ボーダーライン。Neo【中】
いつもあたしの事を気遣ってくれ、時に天然なところもあり、そんな慎ちゃんに癒されてきた。

 あたしは口元を緩め、ふっと噴き出した。

「なに、急に。全然大丈夫だよ? てか、最初にそうやって決めたじゃない?」

「まぁ……そうなんだけどさ」

「実際、新居の見積もりとか、その辺は慎ちゃんの担当だったし。
 夜遅くまで働いてるんだから、慎ちゃんには酷よ。……ね?」

 あたしの笑みにつられ、慎ちゃんは「悪い」と言いつつも口角を上げた。

「……うわ! 降ってきた!!」

 突如、大きな雨粒が頬を差した。

 今朝見た天気予報では降水確率はゼロだったので、通り雨だと思った。

 あたし達は小走りになり、近くのコンビニへ入った。

 結婚式まで、三週間と五日。

 あたしはこの人の妻になる。

 元カレの事などさっさと忘れて、早く現実を見るべきなんだ。


 ***

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