ボーダーライン。Neo【中】
夕方四時という時間帯から、客はまばらで、幸子は時折店内を掃除していた。

 不意に以前言われたカイの台詞を思い出す。

 ーーストーカーじゃねぇし。

 内心でそう否定するものの、それと相違ない事に気付いていた。

 電話で突っぱねられ、メールもスルーされ、遂には直接会いに来るなんて、逆の立場なら完全に引いている。

 僕はギアをパーキングからドライブに入れ、車を発進させた。

 そのまま近くのコインパーキングに停車すると、変装用に、帽子とサングラスを身に付けた。


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