ボーダーライン。Neo【中】
その日の夜。
あたしはコタツテーブルに腰を据え、年賀状の返事を書いていた。
お正月だから、と景気良くお酒を飲んだ慎ちゃんは既に布団の中だ。
午前中、実家へ新年の挨拶に伺った際、自分宛の年賀状を持ち帰った。
元生徒から届いたそれらは、どれも宛名に“桜庭先生”と書いてあり、慎ちゃんにはとても見せられないなと、呆れて笑みが零れた。
一枚一枚宛名を確認しながら、それぞれに短いメッセージを書いていると、かつて担任をしていた頃を思い出す。
“桜庭先生”、“さっちゃん先生”、“先生”…。
みんな好きな呼び方で、あたしの事を呼んでいた。
ーー「俺さ。先生が好きなんだよ」
不意に、真剣な声で想いを告げる彼が頭に浮かんだ。
ーー「俺にとって、先生は特別なんだ」
……檜。
あたしは眉を下げ、一度ペンを置いた。
駄目だな。教師をしていた過去を思い出すと、頭の中が檜でいっぱいになる。
あたしは冷蔵庫へ行き、缶チューハイを開けた。
割と度数の高いものを喉に流し込むと、半分ほどでほろ酔い気分になり、またペンを執った。
全員分のメッセージを書き終え、葉書を輪ゴムで留める。明日出そうと鞄に仕舞った。
あたしはコタツテーブルに腰を据え、年賀状の返事を書いていた。
お正月だから、と景気良くお酒を飲んだ慎ちゃんは既に布団の中だ。
午前中、実家へ新年の挨拶に伺った際、自分宛の年賀状を持ち帰った。
元生徒から届いたそれらは、どれも宛名に“桜庭先生”と書いてあり、慎ちゃんにはとても見せられないなと、呆れて笑みが零れた。
一枚一枚宛名を確認しながら、それぞれに短いメッセージを書いていると、かつて担任をしていた頃を思い出す。
“桜庭先生”、“さっちゃん先生”、“先生”…。
みんな好きな呼び方で、あたしの事を呼んでいた。
ーー「俺さ。先生が好きなんだよ」
不意に、真剣な声で想いを告げる彼が頭に浮かんだ。
ーー「俺にとって、先生は特別なんだ」
……檜。
あたしは眉を下げ、一度ペンを置いた。
駄目だな。教師をしていた過去を思い出すと、頭の中が檜でいっぱいになる。
あたしは冷蔵庫へ行き、缶チューハイを開けた。
割と度数の高いものを喉に流し込むと、半分ほどでほろ酔い気分になり、またペンを執った。
全員分のメッセージを書き終え、葉書を輪ゴムで留める。明日出そうと鞄に仕舞った。