君からの贈り物
色別に意味もあって、赤は『変化を好む』。白は『私を信じてください』。

「ん?」

1枚の紙が入っているのに気が付いて、私は紙に目を通す。


若とのイタリア観光、楽しかった。ありがとう。

色々と懐かしくなっちゃって、アスターの花を送っちゃった。アスターには、『追憶』っていう花言葉があるからね。

……それだけの理由で、アスターを送ったんじゃ無いんだけど。

俺らが付き合い始めたのって、高校1年生だっけ。俺から告白したんだよね。

初デートは夏祭りで、一緒にクレープ食べたっけ。

懐かしい。もう一度、あの頃に戻りたいな。……若に、もう一度言いたいことがあるんだ。

若のことが好きです


カァッと頬が熱くなる。思い出すのは、優希の笑顔。

「……ホント、懐かしい……」

優希からの手紙に向かって、私は微笑んだ。その時、家のチャイムが鳴る。

「はーい!」

返事をして、私はドアを開けた。そこには、優希が立っていた。

「へへ……遊びに来ちゃった……」

恥ずかしそうに笑いながら、優希は私を見る。

「……そっか。上がって」

優希に微笑んで、私はリビングへと歩き出した。

「失礼します」

リビングに入ると、優希はリビングのドアを閉める。
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