意地悪執事はお嬢様を独占したい
「たいしたことじゃないよ。用事があっただけ」
適当に誤魔化すと怪しい顔をしながらも納得してくれた。
「あ、そうだ。千結様」
「ん?」
何かを思い出したように一条が言ったのでなに?と聞き返す。
「今週の日曜日の午後は私の用事があるので少しの間家を開けます。何かあったら他のメイドや執事に言っていただければ」
「……?わかった。なにかあるの?」
「それは秘密です」
そう言われそれ以上は聞かなかった。
まさか日曜日の午後、その一条を見かけるとは知らずに――――――。