新 発 売【短篇】
新発売

ある暑い夏の、とある日の部活終わり。
何となくチャリンコを走らせて家路を走る俺。

いつもと同じ日常だ。

いつもと同じく、何となく喉が乾いて、
通学路の途中にある自販機にチャリンコを停めた。

ポケットからは120円。

ホントなら150円でペットボトルに行きたい所だけど、節約の為に迷わず缶のコーラのボタンを押した。

部活では炭酸飲料は禁止されているが、暑い夏に飲む炭酸はそうは簡単には止められないのだよ。

ガシャ……ゴッ…ド……

自転車に股がったまま手を伸ばして缶を掴み、少しよろけながら顔を上げる。

その時、視界に入ったサンプルケース。

良く見かける、誰もがご存知な、炭酸飲料・お茶・ミネラルウォーター・コーヒー……、に混ざって見慣れない二種類の缶。


< 1 / 12 >

この作品をシェア

pagetop