暗闇の先に…

PPPPP…


アラーム音で目が覚め、ボーとした頭のまま学校の準備をする


リビングに行くと誰もいない


輝真は いつものように寝てるかもしれないけど、陸斗が この時間いないのは珍しかった



結局、一人で登校する


それは入学して初めての事で何故かあちこちから視線を感じた


どこでどんな噂が出回ってるのか…


菜摘は「陸斗先輩、可哀想。彩夢って実は悪女?陸斗先輩を陥れたいんじゃないの?」なんて言いががりをつけてくる


凛は心配して側に居てくれた



結局丸1日、影でコソコソ噂をされマンションに帰った頃には疲れ果てていた


制服から部屋着へと着替えてリビングに行くと、ちょうど陸斗が帰って来た


「お帰り……」


「…………」


目も合わさず部屋へと向かう陸斗


どうにか誤解を解きたくて陸斗の後を追った


「待って!陸斗ッ」


腕を引っ張り陸斗の前に回り込んだ

「陸斗、お願い…話しを聞いて?」


「…………」


「昨日の事だよね?あれ、違うから。あの時はホントに……」


ーーーーーダン!!!


目の前すれすれを通った陸斗の拳が廊下の壁を殴っていた


ビックリして思わず続きの言葉と一緒に息を飲みこんだ


「聞きたくねぇ…一人にさせてくれ」



部屋に入り着替えた陸斗は、呆然としている私の隣を通り過ぎマンションから出ていった

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