暗闇の先に…
ポケットに手を入れると輝真から貰った連絡先を書いたメモ
捨てようかと思ってグシャグシャにしたメモ紙を破れないように そっと開いた
ーーー『陸斗が会いたがっているんだ』ーーー
………そんな筈ないじゃない
私は出て行くように言われたんだよ
もし…また、あの冷たい目を…冷たい表情を向けられたら……私は…
陸斗には菜摘がいる
私は二人を邪魔したらダメなんだ
彼女と一緒にいる所を思い出すだけで心臓を掴まれた様に痛む
掌にあるメモ紙を握り締め、海へと投げた