暗闇の先に…

ショッピングモールを出て、歩き疲れた足を休める為、駅付近の喫茶店に入る



コーヒーセットを頼み、酒井さんの里帰り話しを聞いていた


「でね、仲が良かった同級生と会ったの。そしたら、付き合う事になっちゃって…」


「良かったじゃないですか!おめでとうございます」


少し照れながら話す酒井さんは、年上には見えない可愛さがあった


「彼も来週から仕事が始まるから、明日 突然会いに行こうと思って……そこで彩にお願いがあるんだ」


酒井さんには入社した時から、ずっとお世話になっていた

だから酒井さんの力になるなら、何だって協力するつもりだ


「いいですよ、何すればいいんですか?」


「彩、隣の県出身だったよね?彼も隣の県に住んで居るの。住所は分かるんだけど、一人じゃ不安だから……」


酒井さんは…私がこっちに来た理由なんて知らない……

少し悩んだけれど隣の県って言っても簡単に会う事もないだろう


「……いいですよ」


そう言うと、酒井さんはホッとしたように顔を綻ばせた


寮に帰った後、酒井さんは 今日買ったばかりの服の中から当日、着ていく服を選んでいた


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