極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
私は、本題に入るため正座をして姿勢を正した。


「昨夜の件ですが、本当に忘れていただいて構わないです。社長はさきほど‟責任”とおっしゃっておりましたが、私も、その……同意の上でのことだったので、あまりお気になさらないでください」


きっぱり告げると、千紘社長はしばらくして困ったように笑う。


「さっきはつい‟責任”と大げさに言ってしまったが、そんな堅苦しいものじゃないんだ。俺はただ、君をこのまま繋ぎとめておきたくて……」

そこで言葉を切ると、対面に座っていた千紘社長が席をずれて、私の隣へと腰を下ろした。

そして、おもむろに私へと手を伸ばし髪を払うと、そっと首に触れる。

その親指が優しく撫でているのは、昨夜、千紘社長につけられたキスマークのある場所。

まだほんのりと私の首に赤く残っている。
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