極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
今から憂うつで仕方のない柴乃ちゃんの男友達との食事も、もっと積極的な気持ちで挑んだ方がいいのかもしれない。それこそ、うまくいけばお付き合いに発展させるとか。

でも、この年齢まで一切恋愛をしてこなかった私にとって、誰かを好きになったり、お付き合いをしたりするということが、どうしてもイメージできない。

みんないったいどんなきっかけで人を好きになって、どんなきっかけでお付き合いを始めるのだろう。


そもそも恋とは何なのだろう……。


「笹崎さん」

「は、はい」


不意に千紘社長に声を掛けられ、驚いてパッと顔を上げた。

私としたことが。ここがまだ社長室だというのに、ついうっかり仕事とは関係のないことで頭を悩ませてしまった。そんな自分に反省する。


「小森部長たちが来たらお茶を出してくれるかな」

「わかりました。社長にはいつもの紅茶でよろしいですか」

「ああ。よろしく頼むね」


にっこりと微笑むと、千紘社長は片手に持っている報告書へと視線を落とす。その姿に一礼すると、私は静かに社長室を後にした。




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