極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました

「陽性……」


すぐに判定窓に二本線が浮かび上がった。

説明書でもう一度確認するけれど、この場合は妊娠しているということらしい。


「うそ……」


この事実に動揺が隠せず、検査薬を持つ手が震えた。


私のお腹に赤ちゃんがいる……?


どうしよう。

どうしたらいいんだろう。

陽性反応が出たら次はどうすればいいんだろう。


パニック状態の頭でいろいろと考えて、ふと千紘さんが頭に浮かんだ。

お腹の子の父親は間違いなく彼だ。時期を振り返れば、一夜を共にしてしまった日に授かったのだと思う。

でも、まさかあの一度で……。


「どうしよう」


募る不安からか、私の両手は検査薬をぎゅっと強く握りしめていた。



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