極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「あっ、社長! もうこんな時間です」


社長室での出来事を思い出し、恥ずかしくなった私は、千紘社長から腕時計へと視線をそらした。そして、素早くソファから立ち上がる。


「私はそろそろ失礼させていただきます」

「そうか。もうそんな時間か」


千紘社長もソファから立ち上がり、私たちはバーを後にした。

そして、エレベーターの到着を待つ。

その間も私の心臓はずっとドキドキとうるさい。


「社長。今日はごちそうさまでした。食事もお酒もとても美味しかったです」

「そう言ってもらえると嬉しいよ。もしよかったら、また食事に付き合ってくれないかな」

「えっ」


その誘いに一瞬、戸惑ってしまう。


「今日はとても楽しかったから。笹崎さんと仕事以外でもこうしてまた話がしたいと思ったんだ。ダメかな?」

「い、いえ、そんな」


最後は少しドキッとする展開になったけれど、私も今日は楽しい時間を過ごせた。
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