先生がいてくれるなら①【完】

「拗ねてんの?」

「……別に、拗ねてません」

「コーヒーは俺が淹れたいからダメ。飲みたかったら俺が淹れるから」

「だって……」

「あと、コーヒーはカフェイン多いからあんまり家で飲むな。飲んで良いのはここでだけ。分かった?」



え、そう言う理由?


企業秘密って言ったくせに。


──もちろんそんなの信じてないけどさぁ。


「子供がコーヒー飲んで良いのは一日一杯だけデス」

「こっ、子供扱いしないで下さい!」

「お前17歳だろ。子供だよ」


私を子供扱いして笑う先生は、本当に悪魔にしか見えなくて悔しい。


あと──


「先生、今年の誕生日が来てないので、私、まだ16歳です……」



──素直に申告してしまう自分もどうかと思うけど、それを聞いて爆笑する先生もどうかと思う。



もうっ、先生のバカ。



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