先生がいてくれるなら①【完】

「お前、明日、ヒマ?」



ある日の病院からの帰り。


先生は車を発進させるなりそう聞いた。



「明日……って、祝日ですよね」

「三連休だし、何か用事あるのかと思って」

「あぁ、いえ、何も無いです。母は仕事がありますし」

「友達とはどっか行ったりしないのか?」

「みんな部活なんですよね~。だからヒマです」



と言ってから気づいた。


“ヒマ” と言ってはいけなかったんじゃないかと──。



「そ。じゃあ、明日ちょっと付き合って欲しいところがあるから、空けといて」



えっとそれは、あの、例によって──


その、断ったりとかは──

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