先生がいてくれるなら①【完】


「そもそも、一緒に見る──って、みんな一緒に見てるじゃん」


そう言ったら、美夜ちゃんにどん引きされた。


「明莉……それを言ったらオシマイだよぉ。気付いてても言わないで!」

「えー、……無理」

「夢がなさ過ぎるよ、明莉~」


美夜ちゃんが苦笑いする。



だってさ。

あっという間に終わるし、仕掛け花火。


そんなので御利益あったら、私だってどうにかして好きな人を隣に引っ張ってきて一緒に見るよ。


騙してでも引っ張ってくる。



でも、そんな事しても、無理なものは無理。


──私と、先生では。



私はぼんやりと、美夜ちゃんの隣で仕掛け花火の方を見て立っていた。


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