先生がいてくれるなら①【完】

文化祭も無事に終わり、また平和な日常が戻ってきた。


しかし、平和な日常と言うものほど、長続きしない物は無い──。



私は今、悠斗に連れられて、特別教室B棟にある小さな資料室にいる。


この部屋にあるのは、壁際の書庫と、長机が数台、パイプ椅子だけ。


普段は会議室代わりに使ったり、プリントを冊子に纏めたりする作業部屋として使ったりしているらしいが、私は入るのは初めてだった。



「それで……私に話って、なに?」


悠斗は私に何か話があるらしく、放課後に──部活よりこちらを優先して私をここへ連れてきた。



「うん、こんな場所でごめんな? 二人きりで話したかったから」


悠斗は私に椅子に座るよう促すと、椅子を私と向かい合わせになるように動かしてそこへ腰掛けた。

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