先生がいてくれるなら①【完】

二人の先生のお父さんはここの大学病院の教授だ。


お母さんはこの病院の小児科病棟の看護師だから、教授の息子さんである光貴先生の話を耳にすることもあるのだろう。



まだお兄ちゃんが死んだ事に頭がついていかなくて茫然とする私の頭に、孝哉先生が優しく手を置いた。


光貴先生も、私の肩をポンポンとやさしく叩く。


「孝哉先生、光貴先生……」


涙が止めどなく溢れる。


「つらいな……」


孝哉先生が私の頭を優しく撫でてくれた。


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