先生がいてくれるなら①【完】
少し仰ぎ見る先生の顔は、やっぱり綺麗で、そしてあまりにも近くて。
私の心臓は相変わらずドキドキドクドクと大忙しで、大騒ぎだ。
きっと顔も真っ赤になっているに違いないけど、幸い薄暗いから多分バレてないと思う。
いや、バレてないと思いたい。
「なんで下ばっか見てんの。俺様とおハナシしなさい」
「だ、だって……。て言うか先生、俺様って」
私が思わず笑うと先生は私の頭にふわりと手を乗せて、妖艶に微笑んだ。
「俺といる時、黙るのと俯くの禁止」
「えっと、だって……」
「だって、じゃないの。楽しいお話をして俺様を楽しませなさい。分かった?」
「先生、横暴……」
「横暴でもなんでもいいから、黙るの禁止な。せっかく一緒にいるんだから」
先生は頭に乗せたままだった手を離す前に優しく笑って、ふわりと撫でた。
私はその笑顔にまた心臓を鷲掴みにされて、思わずコクコクと頷く。