先生がいてくれるなら①【完】

「今は帰宅部だし、登校が早いから朝掃除して時間潰したり出来るし、苦手な数学もちょっとぐらいは好きになったりするかな~?……みたいな?」



我ながら、アホっぽい言い訳と口調になってしまった。


この返答は部員の皆さんも呆れ返ることに違いない……。



「そうなんだ。じゃあ、僕たちも立花さんの力になれるよう、色々教えるね」



葉澤部長がニッコリと笑ってそう言った。



部員全員で、うんうん、と頷いてくれる。


なんて純粋で優しい心の持ち主ばかりなんだ!


顧問とは大違い!!



「えっ、あ、ありがとう、ございます……」



私は戸惑いながらみんなにお礼を言った。




──なんだろう、この背徳感。




数学オタク男子は純粋すぎて、私の方がツライです──。





< 78 / 455 >

この作品をシェア

pagetop