先生がいてくれるなら①【完】

車の中から偶然立花を見かけて、強引に家まで送り届けた翌日の数学の授業中の事。



昨晩とのギャップをたっぷり楽しんで貰うために、いつも以上に感情を入れずに授業を進めた。


案の定ぽかんとしたまま心あらずの立花をいじるべく、問題を解かせるために名前を呼ぶ。


が、返事が無い。



──コイツ、本気で大丈夫か?



いくら文系クラスと言っても数学を完全に落として良いはずはない。


何度か呼んだところで、立花の隣に座っているあの忌々しい男子生徒──倉林が、立花の事をシャーペンで突いて気づかせようとする。



チッ。

余計な事すんじゃねーよ、クソガキ。


普段ならこれぐらいで生徒を呼び出したりはしないが、倉林のせいでイライラしたのもあって、放課後に準備室に来るように言いつけた。



俺の授業を全く聞かずにぼんやりするとか、良い度胸してるな。


さて。

どんなお仕置きを用意してやろうか?




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