俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
…そうか。
三年前、魔獣の回収を試みて北桜学園のVIPラウンジに兄貴と同伴したのは…恐らく、この竜堂だ。
この兄貴の様子と、竜堂が術者…それで、辻褄が合う。
社交辞令だと思っていたけど、本当に仲良しだったのか。
「ねえ、竜堂くん。今度はいつ東京に戻るんだっけ?馬刺し食べに行ける日ある?」
「来週31日。馬刺し?帯広に豚丼じゃなかったのか」
ごく普通の男友達の会話なんですが。
兄貴にもこんな話をする相手がいるなんて、ちょっと驚き。初めて見たよホント。
豚丼?兄貴、豚丼食うの?
戸惑いながらも横で黙って話を聞き、その様子を伺う。
…しかし、この竜堂といえば。
妖怪退治の仕事だったとはいえ、なずなと二人で軽く歩いていたのが、ムカつく。
と、あまり印象が良くなかったのだが。
先月、ペンタグラムで話をする機会があった。
その内容とは。
彼が術者、その『神童』の『従者』になるまでのお話。
『…うちの犬が、死んだんだ』
『え…?』