俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「お、俺…?」
聞き間違いかと思って、恐る恐る尋ねてみる。
俺の肩を掴んだまま、彼女はウンウンと高速で頷いていた。
はっ…な、何だと!
一般人素人の俺に、何の助けを乞う!
まさかの反応に、思わずカッとなる。
「な、な、何で俺なんですか!ふざけるにもほどがあるでしょ!」
「え、え、何でですか!あ、あなた霊力いっぱい持ってるでしょ!わかりますよ!出し惜しみしないで助けてくださいよおぉぉぉ…」
「…桃李ちゃん!こら!」
「は…」
俺が…霊力?
さっきの話といい、俺…何なの?
自分はいったい、何者か。
…だが、今それを誰かに聞いたり、ゆっくり考えている場合ではない。
「…何をごちゃごちゃやってんの?…小賢しい真似してないで、一思いに殺ってやるって、言ってんだよ!」
彼が声を張り上げると、光のカーテンは一気に軋む音を響かせる。
すると、完全パニック御乱心となったキョドり系彼女は「ひいぃぃっ!」と、また悲鳴をあげた。
そして俺を掴む手に力がギュギュッと入る。
い、痛いっ!